臨床研究研修センターのご案内(概要)

教育、研究、倫理の支援・推進を通じて、医療従事者の専門性を高め、信頼される人材の育成を図ることを目的に活動しています。

業務内容

1.教育

初期臨床研修の基幹病院(定員2名)、協力病院として研修医の指導育成にあたっています。新専門医制度の中で、精神科は基幹病院(定員3名)および大学等の連携病院、かつ、一般診療科においても大学の連携病院として専攻医を受け入れ、各学会の専門医および精神保健指定医の資格取得の支援、学術活動の支援を行なっています。
また、近畿の4つ大学の医学部学生の実習を受け入れています。

2.研究

浅香山病院医学雑誌(年一回)とセンター便り(季刊)を発行しています。医学雑誌の執筆者は毎号40名程度で、多職種にわたるのが特徴です。また年一回開催する精神疾患の脳波・画像の研究会では毎年10題前後の演題が発表されています。

3.倫理

倫理委員会では令和4年度は8件の審査を行いました。また、多機関共同研究は9件、先進医療は1件が進行中です。

臨床研究実施についてのお知らせ

当院にて治療・検査を受けられた患者さまや研究等にご参加いただいた患者さまを対象とした臨床研究実施に関するお知らせを掲載しております。
詳しくは以下一覧をご確認ください。

研究の名称 所属 研究責任者 研究期間
透析膜種類による血球変動率と臨床症状ならびに透析後疲労感との関連性の後方視的検討 透析臨床工学室 神野 卓也 2030年9月まで
術後患者の身体拘束を継続させない看護の関わり 3階病棟 森元 彰子 2028年12月まで
精神疾患・認知症を持つ手術患者における、病棟間の情報共有の違いと手術室看護師のケアの質・準備への影響について 手術室

川﨑 恵理子

2028年12月まで
浅香山病院での一般科病棟でのLAI、クロザピン処方および中止事例の検討 精神科 正木 慶大 2027年3月まで
当院精神科身体合併症病棟と精神科以外の診療科病棟患者の理学療法効果を比較し、地域復帰への課題を考察する リハビリテーション部 坂口 英隆 2028年3月まで
浅香山病院におけるクロザピンの使用状況と課題 精神科 眞本 晶子 2026年3月まで
当院でのブロナンセリン貼付剤の使用状況について 精神科 正木 慶大 20313月まで
浅香山病院における保険診療下での反復経頭蓋磁気刺激( rTMS )療法の実態調査と治療効果最大化のための検討 精神科 戸井 優樹 2029年3月まで
消化器手術における精神疾患や認知症の影響について 外科 藤原 有史 2029年3月まで
日本の保険診療における治療抵抗性うつ病患者に対する反復経頭蓋磁気刺激療法の有効性に関する多施設観察実地研究 精神科 戸井 優樹 2025年3月まで
浅香山病院における透析患者のフレイル予防に対する理学療法士の関わり方と体制の検討 リハビリテーション部 加藤 航太 20273月まで
運動器機能向上サービス利用者の理学療法プログラム更新の必要性を考える リハビリテーション部 加藤 航太 20273月まで
浅香山病院認知症疾患医療センター受診の高齢者運転免許更新時診断書作成者の認知機能の推移とその予後について 精神科 正木 慶大 20303月まで
精神科救急病棟(スーパー救急病棟)における高齢者措置入院者の傾向ついて 精神科 正木 慶大 2025年3月まで
TMS 療法関連データベース・レジストリ構築に関する研究 精神科 戸井 優樹 2031年3月まで
脳波分析と自律神経機能解析に基づいた機械学習を用いた精神疾患の鑑別に関する研究 臨床研究研修センター 篠崎 和弘 2030年3月まで
脳波解析よる精神神経疾患の診断・治療効果・予後に関する研究 精神科 髙橋 隼 2026年3月まで
前頭側頭葉変性症の早期診断法開発および、自然歴に影響する臨床・遺伝因子の探索 精神科 釜江 和恵 2027年3月まで
臨床倫理コンサルテーション(CEC)活動の実績から見えてくる当院の倫理的課題の特性とチーム活動の有用性の検討 臨床研究研修センター 国本 京美 2028年3月まで
精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究 臨床研究研修センター 篠崎 和弘 2027年3月まで
大規模精神科病床を有する総合病院における麻酔科管理についての検討 麻酔科 藤井 崇 2025年3月まで
内頸静脈穿刺による中心静脈埋め込み型カテール留置の安全性と有効性に関する後方視的研究 外科 徳原 太豪 2025年11月まで
うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療に関する多施設共同横断的観察研究 精神科 戸井 優樹 2026年3月まで

臨床研究研修センター便り【医療関係者対象】

以下よりPDF版がダウンロードできます。是非ご一読いただき、浅香山病院の雰囲気や取り組みについて関心を持っていただければ幸いです。

No. 内容

センター便りNo.27
(2025春号)

・浅香山病院の薬剤師業務の変遷

・浅香山病院におけるサブスペシャリティ 一般科専門・認定看護師、認定薬剤師について

センター便りNo.26

(2025冬号)

・当院リハビリテーション部の歴史について

・学術活動について

・研究や投稿を振り返って ~『浅香山病院医学雑誌 第3号』優秀論文賞・優秀エッセイ賞受賞~

センター便りNo.25

(2024夏・秋号)

・作業療法室顧問より「探訪 作業療法」

・浅香山病院におけるサブスペシャリティ 精神科領域について

・「浅香山病院医学雑誌」第3号論文紹介

医学雑誌【医療関係者対象】

令和4年に創刊しました「浅香山病院医学雑誌」は、浅香山病院の臨床活動を促進し、当院が行う医学・医療への取り組みを広く院内外へ発信することを目的とし、医師に限らず、コメディカル・看護師等の幅広い職種の職員が投稿していることが特徴です。

No. タイトル
浅香山医学Vol.4,2025
(ISSN:2436-8687)
[巻頭言]
現代社会の「二重の居心地の悪さ」ートランプのいる世界で感性を持ち続けるということ/篠崎和弘
[特別寄稿]

・アミロイド標的治療と認知症の早期診断/森悦朗

・COVID-19感染による筋骨格系への影響/寺井秀富 
・昨今の労働環境変化における職場メンタルヘルスの課題と対策
/渡辺洋一郎
・統合失調症で慢性閉塞性肺疾患の終末期の状態にある人の地域生活と訪問看護ケアについての事例研究/冨川順子
[総説]
・暴力・ハラスメント対策からみる看護~暴力報告書の分析から創られるエビデンスを通して~/矢山壮他
[原著]
・浅香山病院における治療抵抗性統合失調症へのクロザピン使用状況と課題/眞本晶子
・精神疾患および認知症を有するがん患者に対する身体治療拒否への臨床倫理コンサルテーションチーム支援-倫理的意思決定の支援実践-/国本京美
[症例]

・睡眠時無呼吸症候群の持続陽圧呼吸(CPAP)療法が深睡眠に及ぼす影響について:パッチ式脳波計による症例報告/篠崎和弘

・統合失調症の合併症治療でのブロナンセリン貼付剤の有用性について/正木慶大他 
・デュピルマブ導入によりステロイドを中止し得た喘息合併IgG4関連疾患の一症例/丸山直美他
・食餌性イレウスを契機に小腸癌が発見された血液透析患者の1例/島田久生他
・乳がん再発に際し手術を強く拒否し意思決定支援を要した慢性期統合失調症の一例/木藤友実子他
・抗認知症薬の変薬でピザ微候が改善したレビー小体型認知症の一例/堀井奈都子他
・前頭側頭型認知症の行動制限を防ぐために、出口が目立たない多床室から入院治療を開始する試み/土井茜他
・腹腔内出血を来した分節性動脈中膜融解症の一例/澤隆祐他
・うつ病患者の精神症状の変化に伴う腸内細菌叢、便秘状態、セルフケアの変化/林嶺他
・発症初期より道順障害を呈したPosterior Cortical Atrophy(PCA)の一例/中山愛理他
[研修医、専攻医からの臨床疑問に答えるコーナー]/野口篤志、小島和也、正木慶大、江藤光弘、高橋隼、齋藤雄一、駒野敬行
[エッセイ]『忘れられない・・・』/篠崎和弘、谷口典男、徳原太豪、正木慶大、中尾達美、桑山貴好、林侑希
[第47回Fmθ研究会報告・プログラム・発表抄録]/篠崎和弘
・編集後記/篠崎和弘


医療関係者向け医学文献検索サイトの「メディカルオンライン」にも登録されています。

スタッフ紹介

センター長 篠崎 和弘
副センター長 大村 崇(一般科副院長)
副センター長 正木 慶大(精神科部長)
スタッフ 国本 京美(看護)
特任副センター長(非常勤) 髙橋 隼(大阪大学大学院・精神医学教室)

臨床倫理コンサルテーションチーム(CECチーム【倫理委員会下部組織】)

医師 3名
看護師 2名
精神保健福祉士 1名
社会福祉士 1名
事務員 1名
外部有識者 1名